長寿ホルモン




l  アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される超善玉ホルモンです。 慶應義塾大学の研究では(※1)、超高齢者(100歳以上)の血中アディポネクチン値は、平均の2倍以上あると報告されています(図1)。
岡部クリニックでも、1,700名以上の方のアディポネクチン値を、各年代で比較したところ、75歳以上から急に平均値が高くなることがわかりました(図2)。
一般的にホルモンは、加齢とともに分泌量が減ります。つまり、アディポネクチンも年齢を重ねるごとに分泌量が増えていくのではなく、もともとアディポネクチンの高い人が長生きをしていると考えられています。これが、アディポネクチン=長寿ホルモンたる所以です。
マウスの実験では、内臓脂肪が多くメタボリックシンドロームになると、寿命は短命化しますが、このマウスに遺伝子操作でアディポネクチンを増やすと、寿命が延びることが証明されています(図3 )。
 

血中アディポネクチン濃度は内臓脂肪量に逆相関する。そのメカニズムは不明な点が多いが、一部は肥満脂肪組織で増加するTNF-αなどによるものと考えられている。低炭水化物食でアディポネクチンが増加するという報告がある[2]

骨格筋においてアディポネクチンは受容体に結合し、AMPキナーゼを活性化して、通常はインスリンにしか反応しないインスリン感受性のグルコーストランスポーターであるGLUT4を膜の表面へ移動させ、グルコースを取り込む作用がある[3]。運動の結果によりアデノシン一リン酸(AMPアデニル酸が増加することが知られているが、このAMPAMPキナーゼを活性化する経路と同じである。つまり、アディポネクチンは、インスリンの作用を介さずに、運動効果とほとんど類似のグルコースを取り込む作用を示すことにな

 

アデノシン一リン酸(AMPアデニル酸)=IP6ハミリー(種子発芽時に産生するフィチン酸の仲間)

食後30分以内の10分~20分の運動はアデボネクチンを分泌し細胞内にグルコースを取り込み機能(トランスポータ)が活性化して細胞内にグルコースを取込み血糖値を低下させる。



アデイボネクチン食材






アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるため、アディポネクチン自体を摂取するということはほぼ難しい事と言えます。
そのため、アディポネクチンを増やす効果のある食材を選んで摂取することにより、アディポネクチンの分泌を促します。

最近の研究により、ベータコングリシニンという成分がアディポネクチンを増やすということがわかってきました。
そのベータコングリシニンを多く増やすのが、豆腐を代表とする大豆加工食品です。
研究結果によるとメタボリックシンドロームの方にベータコングリシニンを与え続けたところ、23ヶ月でアディポネクチンの数値が上がっていきました。
さまざまなお料理とのマッチングを楽しむことにより更に素敵なお豆腐料理で健康になりましょう。
では、大豆を使ったほかの成分はどうなのでしょうか?その代表的なのは、豆乳や納豆です。
しかし、こちらはベータグリシニンの含有量が豆腐に比べ低いため、一定量摂取するにはその分カロリーも摂取してしまうことになります。
そのため、大豆加工食品は豆腐がベストということです。

そして、にんじん、小松菜、トマト、おくらなどの緑黄色野菜にも効果があると言われています。
緑黄色野菜には様々な利点がありますが、アディポネクチンという観点で捉えた場合、注目すべきところは「食物繊維」です。
欧米では、食物繊維が豊富に含まれているオートミールやオールブランなどを摂取している人もアディポネクチンの値が高かったという結果があります。

またマグネシウムをよく摂取している人はアディポネクチンの値が高いということもわかってきています。
マグネシウムはインスリンの効きを良くするということは言われていましたが、この要因がアディポネクチンを増やす働きから、インスリンの効きが良くなるのではないかということがわかりました。

マグネシウムを多く含む食材はあおさやわかめ、ひじきなどの海藻類、煮干し、干しエビなどの魚介類、ごま、アーモンドなどの木の実類、大豆加工食品などです。
飲料でみてみると、お茶だと杜仲茶が効果的と言われています。杜仲茶は健康茶の代名詞的なお茶で有名です。
この杜仲茶をラットに与えたところ、アディポネクチンの値が上がったという発表が日本薬学会での発表がありました。
また、ワインもアディポネクチンの値を上げるものと考えられています。
ワインに含まれるポリフェノールが抗酸化作用をもたらします。
しかし、アルコールは副腎皮質ホルモンを分泌させて内臓肥満を引き起こすので、ワイングラス2杯くらいの適量にするようにおすすめします。

また、アディポネクチンと構造が似た天然物質があります。
「オスモチン」という物質はアディポネクチンと構造が非常に似ており、アディポネクチンの代わりに同じような効果を発揮する可能性があります。
これらは、何等かの原因によりアディポネクチンの値が元々低い人にとって朗報となります。積極的にオスモチンを含む食材を摂取することにより、アディポネクチンと同様の効果が期待できます。
オスモチンはりんごやさくらんぼ、ぶどう、キウイ、とうもろこし、トマト、ピーマンなどに豊富にふくまれ、消化、分解されにくいため体内に取り込まれたのち、アディポネクチンと同様の働きが期待されています。

*特にアディポネクチンを分泌しやすい食物・・麹納豆・2年味噌・生発芽玄米クリーム