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助け合い細胞



助け合い遺伝子  村上和夫 稲の遺伝子学博士


村上和夫先生の父親はNPO法人一億健康の会の顧問・信州大学名誉教授、茅原紘先生の仲人親です。

科学者としてサムシング・グレードを証明したい

―吉本興業と組んで笑いが遺伝子に影響するという結果を出されたとお聞きしましたが

僕は「心の働きが遺伝子にスイッチONする」と言っていますが、それを証明したいと思っているんです。しかし「

心というのは何ですか?」といった場合非常に難しいんですよ。例えばストレスが加われば病気になる。多くの場

合はそれが原因になっているんですよ。そのストレスはネガティブなんです。しかし世の中にはポジティブもネガ

ティブもあるので、ストレスにも必ずポジティブもあるんじゃないか。そんなふうに発想を変えてみたんです。そし

てネガティブなストレスで病気になるのであれば、ポジティブなストレス(楽しい、感動、感謝)を与 えたらイキイ

キして病気が治るかも知れない。そんなことを考えていたときに、吉本興業の社長と会うんです。これも不思議

な出会いでした。朝食会で講演した 後、隣の席で「先生の話しは面白い」と。「笑いのプロに褒められたら僕も

嬉しいです」と言うと、「イヤ、大学の先生にしては面白かった」と言って大笑い。それで、笑っているときという

のはストレスを解放してるので、もしかしたらそれは、ポジティブなストレスではないかということになったんです

よ。

―その後はどのようになったのでしょうか

話しがトントンと進み、早速「糖尿病の患者さんたち」に2日間の実験で、一日目は食後に大学教授の講義を

40分間聞き、血糖値の検査をしたら、なんと食前 に比べて平均で「123」も上昇。これは予想以上だったのでみ

んなビックリして、「やっぱり大学教授の話は健康に悪いんだな」と(笑)。そして2日目には、吉本のタレントで

B&Bの島田洋七さんのお笑いステージを40分間、同じ時間帯に観賞してもらったんですね。すると患者さんた

ちの血糖値上昇は平均「77」。「大学教授の講義」と「お笑い」による血糖値の差が「46」もあったんですよ。で、

この実験結果を糖尿病医に報告すると、殆どのお医者さんは「そんなアホみたいな実験はとてもまともな医者

はしません」と(笑)。しかし、当事者の糖尿病患者さん自身はビックリです。次の月にはアメリカの糖尿学会 に

私どもの検査データが発表され、それをロイター通信とNews Weekが取り上げてくれて、世界中に発信してくれ

ました。

話も画期的なものですが、今後はどのような展開の可能性があります

自分で言うのも変ですが、この笑いの研究は世界中が注目すると思います。なぜかといいますとね、この研究

が進んでいくと、薬に変わってお笑いビデオ (DVD)が流行り出すかも知れないですからね。先生が治療すると

きに「それでは薬の代わりにこのビデオを見てください」とか言い始めるかも知れません(笑)。しかし、薬の"代

わりに"ではなく、薬と"共に"へと展開していきます。実は日本のある大手製薬会社の会長も、ご自身は「薬は

飲まない」と言うんです。「オレは自然治癒力で治すからお前たちは飲め」と。なぜかというと、この会長は薬に

は副作用があることをよくご存知だから。私も「副作用のない薬はない」と思っています。もし副作用のない薬が

あるならば、それは効かない薬(笑)。

―非常に興味深いお話ですが、もう少し具体的にお聞かせいただけますでしょうか

アメリカではね、年間10万人もの人が薬の副作用で亡くなっています。10万人ですよ・・・。ですから、"笑いセラ

ピー"を取り入れて、「どの遺伝子が、 どう健康に影響を与えるか?」ということを研究してみようと思うんです。

今年3月にはネズミを笑わせる実験をし、博士が誕生しました。ホントに笑ったかどうかはネズミに聞いてみな

いと解らないですが(笑)、胸のところをコチョコチョとくすぐると、ネズミが「気持ちがいい!」と反応するんです

よ。専門的に は、50kHzの超音波を出します。実はこれが笑いの原型だと言われているんです。ちなみに「イ

ヤダ」という反応は20kHz。このようにネズミを使って、「心と脳の遺伝子がどのような関係を持っているか?」と

いうことを研究しています。

出会い・感動インタビュー

これからの時代ではさらに遺伝子研究も進化―吉本興行との「お笑い」の共同研究の次はどのような研究でし

ょうか

アメリカは、西洋医学のメッカですが、すでに西洋医学だけを信じている人は5割を切っています。高血圧や癌

や糖尿病も西洋医学だけでは治らないんです。ある程度抑えることはできるのですが、原因が解らないことが

多すぎる。だから西洋医学の限界を感じているんですね。統合医療や自然療法、中でも最も人気が あるのが「

祈り」という療法なんです。「祈りが治療効果を高める」ということが、医学雑誌に載り始めています。しかし、こ

れは実験条件が難しいのでまだ賛否両論ありますよ。しかし「祈り」という、一見医学のフィールドとは全く関係

のない、そういう世界に科学のメスが入ろうとしているのは事実です。今はも う、そういう時代なんです。だから

僕たちも、瞑想とか魂と遺伝子とか、そういう分野を研究する時代に入っているわけですね。

そのような中で、再来年、弘法大師が高野山を開いて1200年を迎えるのですが、それにからめて吉本の「お笑

い」ではなく、もっと深い心、「祈り」とか「魂」という世界と遺伝子がどのように関係するのかを、今後10年計画

で、仏教家や心のはたらきの専門家と組みながら研究しようとしています。もちろん、ヨガの瞑想やキリスト教

の祈りなどもOK。要はそういうもののはたらきで遺伝子のスイッチがONになることに、どのような因果関係があ

るのかを立証したい のです。

これからは西洋医学だけで病気は治らない―現代の医療や科学の現場の実状につてお話をお聞かせください

今までは、科学者が「祈り」などと言うとね、「それは科学じゃない」「あいつはおかしいんじゃないか」などと言わ

れてたんですが、もう科学や医療がそこに 踏み込まざるを得ない時代になったわけですね。先ほどの三浦雄

一郎さんの「決心」も、「祈り」の世界に通じるもので、結局天というか、サムシング・グレー トの意志に通じてい

く道だと思います。

東大病院の矢作直樹先生という方の本にも書いてあるのですが、東大の医者の身内を東大病院には入れない

というんです。それはなぜかというと「東大病院とい うのは研究するところで、本当の意味で患者のためになっ

ているかどうか解らない」と。そして、「今はそうかもしれないが、将来はそうでない病院にしたい」と言われてま

した。今のお医者さんたちは、西洋医学に限界を感じているんです。だから、科学も医学もこれから少しづつ変

わっていくと思います。ただ、まだ まだ主流ではないですが、東洋医学や針灸マッサージ、自然療法、アロマセ

ラピーなど、そういう分野にもどんどん光が当たっていくと思います。「人は物質の みでできてはいない」という

ことが解ってきたんでしょうね。これまでの医療では、「結局、生き物は物質だけでできている」と考えてきたん

です。それでは細 胞ひとつを考えるときも、臓器や体全体というものをつながりがなく捉えられない。一つの臓

器は治せるけれども、人間そのものを治すことができない訳です。「人間とは何か?」これを知ることができない

んですね。大きな意味で「何かあるんじゃないか?」と皆が思ってきたんだけれど、それが何かは解らなかった。

その理解に科学の分野が少し役立つ時代になってきたんだと思います。

「21世紀は日本の出番だ」と言われたダライ・ラマ―親交の深いダライ・ラマさんとのエピソードをお聞かせくだ

さい彼は、宗教的な直感だと思いますが、「21世紀は日本人の出番だ」と言いました。最初はホントかなと思い

ました。日本の新聞やマスコミを見ていると、とても出番だとは思えないようなことばかりなので・・・。それで私

は科学者なので、世 界が日本をどう見ているのかを早速調べてみたんです。2012年の調べで、なんと日本は「

1位」です。世界に最も良い影響を与えている国なのです。外国の 眼から見ると日本は何よりも「平和国家」だ

ということ。そして科学技術の水準も非常に高い。そして21世紀に入ると、日本のノーベル賞受賞者は全ヨーロ

ッ パ地域を合わせた数よりも上回るんですよ。1位はアメリカですが、ドイツ・イギリス・フランス・イタリーを合

わせても単独で日本が上回っている。これはす ごいことです。また技術水準の高さ、これも世界的な定評があ

る。医療水準、教育水準も高い。加えて、ダライ・ラマが言われた言葉には、「日本は、何より大自然を敬う心

や、和を尊ぶなど、"精神の豊かさ"が千年もニ千年も続いている。そういう善き歴史と伝統を誇りながら、あら

ゆる水準を保てる国は日本だけ だ。だから日本は今こそ出番なのだ」と強い期待がこめられていたんです。

僕は、日本人自体に自覚が欠けると思っています。日本人が俺たちの出番などと思っていない。特に若い人た

ちが自信をなくし、みんなが自分はダメだと思って いるんですね。だけど、これだけの伝統を持っていてね、日

本がダメなわけがないんですよ。だから私は「教育」だと思っており、「日本の伝統とかを、再度、 ちゃんと理解

して、自分の国にもっとプライドを持つような人を育てないとダメだ」と。先生や親も同じです。それで、全日本家

庭教育研究会というのがあり 今、そこで総裁をやっています。経済ももちろん大切ですよ。しかし、経済そのも

のは、これ以上永久に伸びるわけはない。地球規模での資源も限られている し。「貧しいけれども分かち合っ

て生きる」という本質的な精神と社会のしくみがないと解決しないんです。

、もしも世界中が物質主義の米国のような生活をしたら完全に破綻しますよ。だから日本人が本来持つ「つつ

ましさ」とか「分かち合い」とか「大自然の営み に感謝する」。そういう"生き方"を世界に向かって示すこと、そ

んな"生き方"のお手伝いとして、私は「サムシング・グレイト」を伝えたいと思っています。

8月26日(2013年)、経団連会館で一緒にシンポジウムに出演しましたが、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭さ

んも素晴しい方ですよ。世界中に4000万 本もの植林をされています。又、東京大学名誉教授の山本良一さん

は、「このままいくと、20年で世界は崩壊する」と言っています。産経新聞の正論「祈りは 生命の宣言である」と

いう記事で私のことが取り上げられたり、映画『祈り』も一年間ロングランで上映されていることからも解るよう

に、もう本当に"みんなの気づき"の歴史的転換期なんですね。そういう意味で今は非常にエキサイティングな

時代です。

遺伝子も他のために生きている。スイッチONの秘密は利他の精神―

最後に、これからの社会があるべき姿また、どのようにしたらサムシング・グレートに近づけるかお教えください

人間は自分のことを優先する"エゴ"というものがあって、それを「利己的遺伝子」という言葉を使うのですが、

私は「利己」だけでは生きられないと思ってい ます。それはなぜかというと、細胞のはたらきを見ると助け合っ

ているんです。細胞同士が。助け合わなければ臓器の働きが機能しないんですよ。臓器そのもの が働きなが

ら他の臓器も助ける。そのように臓器同士が見事に助け合っているんです。こういうことはでたらめにはできま

せん。だから私は、遺伝子は、「他の 生き物を生かす」という調和的で利他的な目的を持っているのではない

かと思っており、21世紀中には見つかりだすと思います。そうすると身体そのものが "エゴ"では生きられない。

エゴの代表は癌遺伝子ですが、自分たちの遺伝子のコピーをやたら作るわけです。そのために周りの臓器が

死んで転移する。そこで もまたコピーをたくさん作る。そうすると臓器が死んで、最後には個体が死んで人間自

体が死ぬ。これが「利己的遺伝子」の成れの果てです。強いものが生き残 る。それは、あるときまでは続きま

すが、結局、そういう考え方はお互いを食い合い、殺し合うことになる。自分を犠牲にしてまでとはなかなかいき

ませんが、もらったものはお返しをするとか、自分が死ぬことで周りを生かす。そうなっているんです。それが、

"自然"というもので、人間もそのように心のあり方を変 えていくことでサムシング・グレートに近づいていくのだ

と思います。